ペットショップで30万円のミニチュアダックスフンドを購入した。しかし,後日先天性の病気があり,治療が必要となることがわかった。どのような対応をペットショップに求めることができるだろうか。(相談者・契約者当事者 20歳代,男性)
ペットショップには健康なペットを引き渡す義務があるため,通常,購入後に先天性の病気にかかっていることが見つかった場合,買い主は,治療費の負担などを求めることができます。ただし,ペットショップによっては契約書に「治療費の負担は販売価格の50%まで」「交換対応のみ」といった特別な定め(特約)を設けてお店の責任を限定している場合がありますので,まずは契約書の内容を確認し,店側がどこまで対応すべきと規程しているかを把握した上で,交渉するようにしましょう。
なお,特約によって責任の範囲を限定している場合でも,「どんな理由があっても購入代金は返金しない」「どんな理由があっても購入者は損害賠償請求できない」などといった消費者に一方的に不利な条項は,消費者契約法の規定によって無効となる場合があります。
困った場合は,県やお住いの地域の消費生活相談窓口に相談してください。
コロナ禍で“在宅時間”が増え,新たに犬や猫などのペットを飼う方が増えていますが,これに伴い,消費生活相談窓口に寄せられるペットに関する相談件数も年々増えています。
ペットは生き物ですが,法律上は「物」と同じ考え方をします。通常,ペットショップは健康で先天性の病気にかかっていないペット(=欠陥のない商品)を引き渡す義務があります。獣医師の診断等により販売時にはわからなかった先天性の病気が判明した場合,買い主は損害賠償(治療費)の請求や契約の解除を求めることができます。
トラブルにあわないようするため,以下の点に注意してください。
◆ペットショップが登録業者であることや、衛生管理がよいかなどを事前に確認しておきましょう。
ペットショップは動物愛護管理法の規定により登録制となっています。登録業者は、販売前にペットを直接見せて、その動物を飼うために必要な情報であるペットの健康状態などを文書などを用いて対面で説明する義務があります。
◆契約書にどのようなことが記載されているかきちんと確認し,対面で健康状態など説明をしっかりと受けた上で契約しましょう。
◆ペットは生き物であることを十分に考慮し、安易な購入は避けましょう。
動物を飼うことは,生き物の命を預かることです。飼い主は,最期の日まで動物が健康で快適に暮らせるようにするとともに,社会や近隣に迷惑を及ぼさないようにする責任があります。
不安に思われることがあったら,消費者ホットライン(電話番号:188)または県やお住いの地域の消費生活相談窓口に相談してください。
飼い主の方やこれからペットを飼う方へ「動物の愛護と適切な管理」環境省
ペットに関する相談状況や傾向(国民生活センターホームページ)