友達の紹介で、エステ店に行った。1年の会員契約で、約20万円の脱毛エステのコースを勧誘された。今日は契約はできない、帰らせてほしいといったのに、しつこく勧誘が続き、契約するまで帰らせてもらえなかった。結局、断り切れず、契約してしまった。支払いは、クレジットを組んだ。契約を取り消したい。(相談者・契約当事者 20歳代 女性)
契約期間が1か月を超え、契約金額が5万円を超えるエステティックサービスは、特定商取引法で規制される「特定継続的役務提供」に該当し、契約書面を受け取ってから8日間は、クーリング・オフができます。
また、「特定継続的役務提供」に該当する場合は、クーリング・オフ期間を過ぎても、契約期間中であれば、法律で定められた解約料を支払うことで、中途解約することができます。
エステティックサービスの場合は、支払い済代金との差額が下記の負担額を上回っている場合は返金を受け、不足がある場合は追加の支払いをします。
【エステティックサービスを中途解約する際の消費者の負担上限額】
サービス提供前:2万円
サービス提供後:すでに提供されたサービスにかかる料金+2万円または契約残額の10%に相当する額のいずれか低い方
なお、事業者が消費者に対して請求できる、解約時に支払う費用の上限額は、特定継続的役務提供の対象業種ごとに定められています。
詳細は、特商法取引ガイド(https://www.no-trouble.caa.go.jp/what/continuousservices/)をご覧ください。
また、契約するまで帰らせてもらえなかったケースでは、退去妨害により消費者契約法で契約そのものを取消しにできる場合もあります。
また、退去妨害により消費者契約法で取消しにできることもあります。
不安な場合は、県やお住まいの地域の消費生活相談窓口に相談してください。
この事例の他にも、エステは「無料体験」の後に高額な継続契約を勧められる場合が多くありますので、広告や友達の紹介をうのみにせず、事前に情報を集めて契約は慎重に行いましょう。
また、エステに必要と言われて購入した化粧品や健康補助食品などの関連商品もクーリング・オフの対象となりますが、自分の意思で使用した消耗品は返せない場合もあるので、注意してください。
中には、学生に対して、クレジット契約書に嘘の年収を書かせる悪質な業者もいますので注意しましょう。
被害にあわないようするため、以下の点に注意してください。
◆契約は慎重に。内容はしっかりと確認しましょう。
◆必要がなければ、「契約しない」とはっきりと断りましょう。
不安に思われることがあったら、消費者ホットライン(電話番号:188)または県やお住いの地域の消費生活相談窓口に相談してください。
◆特定継続的役務提供とは◆
長期・継続的な役務の提供と、これに対する高額の対価を約する取引のこと。現在、エステティック、美容医療、語学教室、家庭教師、学習塾、結婚相手紹介サービス、パソコン教室の7つの役務が対象とされています。
特定継続的役務提供-(特商法ガイド)
◆クーリング・オフとは◆
クーリング・オフ(Cooling Off)とは、契約の申込みや締結後、消費者が契約について頭を冷やして考え直す時間を置き、一定期間内であれば、消費者から無条件で契約を解除できる制度です。
訪問販売や電話勧誘販売など、不意打ち的な勧誘による契約に適用され、クーリング・オフできる期間は取引の形態によって異なります。
クーリング・オフ- (独立行政法人国民生活センターホームページ)
【若者向け注意喚起シリーズ<No.1>】美容医療サービスのトラブル-「10万円」のつもりが「70万円」の契約!?即日施術は避けリスク等の確認を!-(独立行政法人国民生活センターホームページ)
エステの契約をしたが、途中で解約できるか-(独立行政法人国民生活センターホームページ)