自宅に知らない事業者から電話がかかってきて,「そちらの地域に老人ホームができる予定がある。その地域の方には優先して入居できる権利があるが,あなたは,入居されますか。」と聞かれたので,「入居しません。」と回答した。すると,「では,他の人にあなたの入居権を譲ってもらえませんか。」と言われたので承諾した。
その後,老人ホームから入居確認の電話があったので,私が入居しないことを話した。そのことを事業者に電話したところ,事業者から,「大変なことになった。あなたが他の人に,入居権を譲ったことが世間にばれた。損害賠償しなければならないし,警察に逮捕されるかもしれない。解決するためには,急いでお金を用意する必要がある。240万円用意してください。」と言われた。これは詐欺だろうか。(相談者 女性 80代)
相談内容から,複数の人物が登場するいわゆる劇場型勧誘の詐欺です。今後,一切の連絡を絶つようにしましょう。また,最寄の警察署にも,情報提供することをお勧めします。
困った場合は,県やお住いの地域の消費生活相談窓口に相談してください。
劇場型勧誘とは,いくつもの業者が手を組んで役回りを分担して,言葉巧みに勧誘し,相手の話を承諾してしまうと、「あなたの名義で申し込みをするので一度あなたがお金を支払う必要がある」「入居権を他人に譲ることは犯罪で,解決にはお金が必要。」などとさまざまな口実で金銭を要求され,多額のお金をだまし取る詐欺の手口です。
被害にあわないように,以下の点に注意しましょう。
◆「あなたは入居権を持っている」「権利を譲って」「名義を貸して」などと持ち掛けてくるのは詐欺です!
◆一度電話に出てしまうとあの手この手で話を持ち出し,断ることが難しくなってしまうので,留守番電話機能や発信者番号表示機能を利用して、番号非通知や心当たりのない番号からの電話に出るかは慎重に判断し、必要に応じて後でかけ直すようにする方法が有効です。
◆やりとりしてしまっても,絶対にお金は払わないでください。すぐに警察,家族・友人,消費生活センター等に相談しましょう。
不安に思われることがあったら,消費者ホットライン(電話番号:188)または県やお住いの地域の消費生活相談窓口に相談してください。
高齢者を狙った劇場型勧誘再び!? 「老人ホーム入居権」を譲ってほしいという詐欺電話に注意!-(国民生活センターホームページ)
「老人ホーム入居権を代わりに申し込んで」という電話は詐欺です-(国民生活センターホームページ)