2週間前,就職活動で知り合った女性に,社会人サークルを紹介され,一緒に参加した。サークルの人達とスポーツやボランティア活動などを行ったが,その活動中に,サプリメントや日用品を熱心に勧誘され違和感を持った。よくよく聞いてみると,勧められる商品が,とあるマルチの会社の商品で,商品を人に勧めると利益になるという。商品は良質なものだし,とてももうかることができるから,一緒にやってみないかと言われた。怪しいとは思ったが,サークルの人とも仲良くなっていたため断りづらく,会員になってしまった。やめることはできるだろうか。(相談者・契約当事者 男性 20歳代)
これは,マルチ商法といって,販売組織の会員となって商品やサービスを契約し,友人などを誘って組織に加入させ,ピラミッド式に拡大させていく商法です。連鎖販売取引とも言われています。
マルチ商法は,特定商取引法で,契約書面を受け取った日または,再販売する商品を受け取った日のどちらか遅い方の日から20日間,無条件で解約できるクーリング・オフ期間を設けられています。
速やかに,事業者に対して,クーリング・オフを通知し,解約する旨を伝えましょう。
困った場合は,県やお住いの地域の消費生活相談窓口に相談してください。
トラブルにあうケースとして多いのが,事例のように,会員を増やし続けなければ利益が生み出せないマルチ商法に勧誘する目的であることを隠して近づき,ある程度人間関係を構築させてから,勧誘されるというケースです。「簡単に儲かるから」と言われて,よく検討せずに安易に応じると,金銭的被害にあうだけではなく,友人を誘うことで人間関係を悪化させることに繋がりかねません。
簡単に収入になるような話はなく,事業の実態や仕組みのわからない儲け話には応じないようにしましょう。
クーリング・オフ(cooling off)とは,契約の申込みや締結後,消費者が契約について頭を冷やして考え直す時間を置き,一定期間内であれば,消費者から無条件で契約を解除できる制度です。
訪問販売や電話勧誘販売など,不意打ち的な勧誘による契約に適用され,クーリング・オフできる期間は取引の形態によって異なります。
クーリング・オフ (独立行政法人国民生活センターホームページ)
連鎖販売取引とは(特定商法ガイド)
マルチ取引(国民生活センターホームページ)