(1) 相談事例1 (差額の支払いが必要だと言われた)
化粧品のネット広告で、「初回に限り500円」「回数縛りなし、いつでも解約OK」とあったので、定期購入(定期コース)の契約であることは知っていたが、初回だけで断ろうと、お試しのつもりで注文した。
しかし、1回目の商品が届いた後、解約をしようとしたところ、業者から、「初回で解約するなら定価との差額を支払ってください。」と言われた。差額は2万円と高額になる。500円で解約したい。(相談者・契約当事者 30歳代 女性)
(2) 相談事例2 (解約期限が過ぎていると言われた)
健康食品のネット広告で、「初回に限り500円」「回数縛りなし、いつでも解約OK」とあったので、定期購入(定期コース)の契約であることは知っていたが、初回だけで断ろうと、お試しのつもりで注文した。
しかし、1回目の商品が届き、解約をしようとしたところ、業者から、「解約できる期限は過ぎている。2回目も受け取ってもらわないといけない。」と言われた。2回目からは2万円と高額になる。1回目で解約したい。(相談者・契約当事者 50歳代 男性)
いずれの事例も、広告には「1回目で解約の場合は定価との差額の支払いが必要となる」「1回目発送の10日後に2回目を発送する。解約期限は発送5日前まで」という条件が記載されていました。しかし、注文ボタンで表示が隠れていたり、スクロールをしないと見えないところに表示されていたりとわかりにくい表示となっていました。
インターネット通販をはじめ、通信販売にはクーリング・オフ制度はなく、解約や返品は広告に表示された事業者の規約の条件に従うこととなります。
一方で、 通販サイトで次のようなケースは、取消しの申し出ができる場合があります。
・「定期購入」である旨や、金額、契約期間などの販売条件が表示されていない
・申し込みの最終段階の画面上で、定期購入契約の主な内容の全てが表示されていない
このような場合は「表示が無かったため申し込み前に販売条件等を確認できなかった」ことを理由に取消しを申し出ましょう。
なお、業者は「表示している」と主張する可能性が高いため、「表示がなかった」ことを証明するためには、申込時の画面や最終確認画面等をスクリーンショット等で保存しておくことが有効です。
困った場合は、県やお住いの地域の消費生活相談窓口に相談してください。 ※スクリーンショットの方法がわからない場合は、ネットで検索するかスマホ等を購入されたショップにお尋ねください。
・「初回無料(格安)、回数縛りなし」と広告に記載されていても、初回で解約する場合は定価との差額の支払いが必要となったり、「解約は商品発送の○○日前まで」といった解約条件がついていることが多いので、注意が必要です。
・また、「いつでも解約OK」と広告に記載されていても、事業者に電話がつながらない、電話では解約手続きができない、解約を受け付ける期間が制限されている、極端に短いなどで、結局解約できなかったというトラブルも発生していますので注意が必要です。
・なお、「定期縛りなし」とは、「購入回数に縛りがない定期購入」のことを指す場合が多いです。「縛りがないということは、1回限りの購入だ」と思い込まないようにしましょう。
・広告では,「効果がある」「お得である」という部分のみが強調され,その反面,解約の条件などは小さく表示されていたり,分かりにくい場所に表示されていることもあります。
・注文時に、画面が切り替わる、自動的にページが飛ぶ、違う画面がポップアップするなど、画面が変わることで購入条件がわかりにくくなるケースがあります。画面は一つひとつ隅々までチェックしましょう。(スクロールしないと見えない部分がないかもチェックしましょう。)
・トラブルになったときの証拠になるよう、申し込むときは、最終確認画面をスクリーンショットで保存しておきましょう。(広告画面は頻繁に更新されるので、保存しておかないと、申込時の画面が再現できなくなります。)
・また、注文確定後などに表示される「割引クーポン」を使用する際は、最初の購入条件が変更される場合がありますので、注意しましょう。
不安に思われることがあったら,消費者ホットライン(電話番号:188)または県やお住いの地域の消費生活相談窓口に相談してください。
通販で定期購入の商品を注文し、特別割引クーポンを使ったら、コースが変更されてしまった。-
「定期購入」トラブル急増!!-低価格を強調する販売サイトには警戒が必要!-(国民生活センターホームページ)