通っていた脱毛サロンの会社が倒産した。まだ数回しか施術を受けていない。クレジットカード会社から支払いを求める通知が届いているがどうすればよいか。(相談者・契約者 20歳代 女性)
事業者が倒産して破産手続きが開始された場合、事業者の財産は破産管財人(弁護士)の管理下に置かれます。返金等について事業者と直接交渉することはできません。破産管財人からの連絡を待ち、確認しましょう。
また、クレジットカードを利用して支払っている場合は、クレジットカード会社へ連絡(または問い合わせ)してみましょう。
困った場合は、県やお住いの地域の消費生活相談窓口に相談してください。
近年、脱毛エステサロンの倒産により事例のような相談が増加しています。
事業者が破産手続き開始の申し立てを行い、裁判所から破産手続き開始の決定を受けると、事業者の財産は破産管財人(弁護士)の管理下に置かれます。一般的に、消費者は「債権者届」を破産管財人に提出し、破産管財人の作成する債権者名簿に登録され、一般債権者の扱いで清算配当を待つことになります。清算は、優先債権(税金や従業員の給料等)への支払いを終えてから行われるため、配当はほとんど期待できない場合があります。
【役務提供期間内で施術回数が残っており、クレジット分割払いをしている途中の場合】
クレジット会社への以降の支払いの停止を求める主張(抗弁)をすることができます。抗弁書(書面)を提出することが一般的です。ただし、これはあくまでもクレジット代金の支払いの停止を主張できるものであり、エステなどの役務契約の解除や既支払金の返還を主張できるものではありません。まずはクレジット会社に問い合わせましょう。
支払停止等の抗弁に関する手続きについて(一般社団法人日本クレジット協会)
https://www.j-credit.or.jp/customer/consult/download/siharai_teisi_20230612_2.pdf
被害にあわないようにするために、次の点に注意してください。
◆契約は慎重に。内容はしっかりと確認しましょう。
「無制限」、「通い放題」とうたっていても契約内容を確認すると「有償で受けられる回数・期間」と「無償で受けられる回数・期間」に分かれており、中途解約の際に生じる精算は原則有償の回数で行われます。
◆必要がなければ、「契約しない」とはっきりと断りましょう。
「おかしいな」「困ったな」と思ったら、まずは県やお住いの地域の消費生活相談窓口にご相談ください。